「らんちゅう」の歴史について

日本で100年以上の改良の歴史がある龍頭の現代らんちゅう ※画像はイメージです


▼ 金魚の品種としての沿革

最初に「和金」から、突然変異による背鰭のない「マルコ」と呼ばれる肉瘤のない金魚が出現し固定され、江戸時代に「らんちゅう」という品種が定着されました。
そして、明治時代に初代石川亀吉氏(東京)により、改良が行われ現代の主流となっている「らんちゅう」の姿の基礎が確立されました。

発音により古くは「らんちう」「らんちゅう」と表記がわかれておりましたが、現在では主に「らんちゅう(ランチュウ)」という表記が使用されています。

▼ 日本独自の品種改良の歴史

明治時代の1880年代に近代らんちゅうの歴史が始まります。
1884年に国内で初めての愛好会が設立されると、翌1885年に国内初のらんちゅうの品評会が開催されます。
時は移り変わり戦前の1940年には全日本らんちゅう連盟が設立
その後、時代が移り変わり、戦後の1950年代~1960年代にらんちゅうの愛好会が日本各地で増えていきます。
1956年には現在の全国大会を主催する「日本らんちゅう協会」が設立

品評会では愛好家の正装としてスーツの着用がドレスコードのような形になっていました。(現在も全国大会の審査はスーツ着用)
らんちゅうは上から見る、上見(うわみ)での姿を競わせており(主に泳ぎの美しさ)、品評会では初期のころは木桶での鑑賞やホーロー製の洗面器での鑑賞、近年では軽量化されたFRP製の洗面器で鑑賞されています。

その後、日本の高度経済成長に合わせて愛好家が全国で増えていきました。
らんちゅうの産地としては三重県の伊勢(1980年頃)や静岡県の浜松(2000年頃)が有名になり、愛知、岡山、愛媛などの温暖な地域で多くの愛好家や有名ブリーダーが誕生しました。

時代は平成に入り改良が繰り返され、2000年頃には現代らんちゅうの特徴ともいうべき、フンタンが良く発達した龍頭のらんちゅうが主流となってきます。2000年代には中国や韓国でも日本の現代らんちゅうを主とした品評会が行われるようになりました。

また、2000年代に入るとインターネットの普及(ネット販売やネットオークション)により、全国各地の有名ブリーダーの魚の流通が盛んになり改良が加速。それに伴い一般の愛好家の魚が多く流通するようになり、2010年頃から販売価格の平均も下がってきました。これはメリットでもありデメリットでもありますが、2000年頃までは品評会での上位の魚を始め、系統や有名ブリーダーの魚は数十万円から百万円ほどの価値があり売買されていました。

また、らんちゅうの品評会は戦時中も行われていましたが2回戦争による中止の年があり、近年ではコロナウイルスの影響により2020年と2021年には多くの品評会が中止になりました。

▼ 現代らんちゅうの特徴

現在は目先がよく発達し、幅や太みがあり、尾型の良い魚が好まれています。
また体型は長手の魚が好まれています。


「番付」について

品評会の番付について説明しています

▼ 番付早見表 (主に愛好会で使われている番付順位です)



番付表は古くは相撲番付のように発行されていましたが、現在では各愛好会ごとのフォーマットにより作成されます。

▼ 備考(言い伝え等には諸説あります)

らんちゅうの品評会では主に以下の3部門に分けられます
【親魚の部】三歳以上の魚で競う部門
【二歳魚の部】前の年に生まれた魚で競う部門
【当歳魚の部】その年に生まれた魚で競う部門
※当歳魚の部は大会によっては大の部と小の部の2部門に分けられる場合があります

・一般的に同じ愛好会の大会で3度大関を獲得した魚は「横綱」として認定されます
※部門や年をまたいだり東西両大関を交互にとった場合でも基本的には横綱認定されます

・金魚の番付にある「取締(興行の元締め、運営者)」、「勧進元(興行主、スポンサー)」、「脇行司(控えている行司さんの意味)」は本来では格付け順位ではなく役職になるため(相撲で言う力士にあたる役付けではないため)東西ではなく「一、二」と表記される方が正しいです

・研究会や本大会などで役を付けずに「一席(1位)、二席(2位)、三席(3位)...」と表記する愛好会もあります

・一般的には優勝(金メダル)が東大関、準優勝(銀メダル)が西大関、3位(銅メダル)が立行司のような感じです

・優等魚に対して、一等魚と二等魚をまとめて小役(こやく)と呼んだりします。

・100年以上の歴史がある会では東大関よりも立行司の方が本来の地位が高いととらえられる場合もあります

・格付け審査等で見る場合は東大関は華やかで、西大関が纏まりが優れており、立行司が泳ぎなどが完璧に近いような魚でも大関には体格等で劣る魚が割り当てられることが多いです

・部門ごとのイメージでは当歳魚の部は花形、二歳魚の部は玄人向け、親魚の部は完成の美を求める職人向けのようなイメージがあります。当歳は短期決戦でライバルが多く、二歳は変化と完成の間での調整が難しく、親魚はサイズも含め仕上げるのに伴って下がる生存率と長期戦の難しさがあります。三部門ともそれぞれの難しさがあります。

《Web Design:Template-Party》